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東日本大震災における薬剤師ボランティア活動報告

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報告者 : 宮根 智子

活動日:平成23年5月20日~5月25日

活動地区:石巻(第19班)

 

1) スケジュール

 5月20日(金)

    東京へ移動。
  17時00分 日本薬剤師会でミーティング

 

 5月21日(土)

  4時50分 JALシティーホテル、ロビー集合
石巻へレンタカーで移動
  11時30分 バイタルネット到着
現地の状況の説明。
  13時00分

石巻市内の状況を把握するため、レンタカーで石巻市内を移動。

  19時00分 石巻薬剤師会 仮事務所にてミーティング。
  20時00分

業務終了。

 

 5月22日(日)

  6時00分 起床
  6時40分 仮事務所にてミーティング
週末は、女川地区の調剤がない為、OTC聞き取りの人数を増やして活動。
8時40分まで仮事務所にてミーティング
  9時20分 バイタルネット出発
本日は、3班に別れ、避難所の衛生状態(トイレ、ごみの処理の状態)の把握と、注意喚起を行う。
私どもの班は、今回牡鹿半島にある、月浦、荻浜中学校、第一小網原、石巻総合支所、牡鹿葬場の5箇所の避難所を訪問。
食事、入浴、トイレの衛生面をチェックする。
  15時30分

バイタルネットに戻り、報告書の作成

  19時00分 仮事務所にてミーティング
  20時00分

業務終了

牡鹿半島
牡鹿半島
 

 5月23日(月)

  6時00分 起床
  6時40分 仮事務所にてミーティング
  7時15分 女川へ出発
  8時15分

女川町立病院 到着 調剤業務

  13時00分 女川総合体育館へ移動 調剤業務
  16時00分 調剤業務終了
引継ぎ
  19時00分

仮事務所にてミーティング

  20時00分

業務終了。

 

 5月24日(火)

  6時00分 起床
  6時45分 仮事務所にてミーティング
  8時00分 バイタルネット到着
  9時00分

石巻市街地近隣の避難所へOTCの配達・衛生状態の把握・注意喚起
市内4箇所の避難所を訪問

  11時30分 バイタルネットに戻り報告書の作成
  13時00分 バイタルネット出発 
東京へレンタカーで移動
  18時30分

JALシティーホテル到着

 

 5月25日(水)

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2) 石巻の状況

   石巻の復興は、とても地域差を感じる状況でした。
  
 床下浸水等の比較的被害の少なかった地区では、コンビニや飲食店の営業も再開、学校も再開し少しずつ元の生活に戻りつつある状況の中、1ヶ月前とほとんど状況が変化していない地区も存在していました。
 刻々と状況が変わる中、ボランティアに求められることも変化し、急性期の状態から慢性期の状態に移行。
 これからは避難所で生活されている方々の自立を促し支援することが必要だと感じましたが、全ての避難所の方々に自立を促す事は難しく、まだ支援が必要と感じる地域もあリました。

 1ヶ月前にもボランティアにこられていた先生と同行させていただいた時、「市街地はきれいになっているのに、牡鹿半島は1ヶ月前と状況がまったく変わっていない。」と愕然とされておられました。
 牡鹿半島は地盤沈下もひどく、瓦礫の撤去が遅れている地域です。
 実際牡鹿の現状は自衛隊が入り、道路の整備をしている真っ最中でした。

 調剤に関しては保険調剤を始めた病院も出てきており、行政の問題も絡んでくることもあり活動は複雑化してくることも予想されました。
 基本的に医薬品はあるもので対応する。という方針は変わっていない気がしました。
 

3) ボランティアを終えて

   6月に入り、牡鹿の避難所の方とお話しする機会があったのですが、
 6月いっぱいで小さな避難所は閉鎖する事に決まった。仮設住宅は8月には完成予定なのですが、まだ着工されていないのでどうなるかわからない。
 瓦礫の撤去も、全く手がつけられていない状況なので自宅にも帰れない。どこか別の避難所に移るか、支援はなくなるがこの避難所に残るか考えないといけない。
とおっしゃっておられました。
 閉鎖される避難所で生活をしておられる方々は、つぎに行く場所もきまらないまま、行政に移動するように言われている現状もあるようです。
 もっと、心の通った対応をしていただければ・・・と願うばかりです。

 しかし、うれしいニュースも飛び込んできました。
 先日、薬剤師会を中心に一斉に避難所の害虫駆除が行われたそうです。
 ボランティアの先生方、避難所の巡回をして衛生面の活動をしてきたことが実を結んでいるのでは?と感じております。

 あっという間に過ぎてしまったボランティア期間。
 何ができたか?と問われたら、短い期間では何もできなかったのかもしれません。
 しかし、震災が起こって3ヶ月間。多くの薬剤師が現地入りし、繋がってきたバトンを少しでもよい状態で次に渡す事が、私たちボランティアの使命ではないかと感じました。
 一人の力は小さいけれど、続けることできっと大きな力になっていくのではないかと感じています。

 ある避難所の責任者の方が「人間、必死になれば何でもできるんだ。だから頑張っていける。今日来てくれてありがとう。」と話してくださった言葉。
 私の宝物となりました。

 この度、大震災により亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
 また、被災された皆様にお見舞いを申し上げるとともに、1日も早い復興をお祈り申し上げます。

 どうかこの現状を忘れないで、これからも支援していただくことをお願いいたします。

 最後に、多忙の業務の中、快く送り出してくれた「させぼ薬局の皆様」に、御礼申し上げます。
 

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