一般用医薬品と医療用医薬品、同じ医薬品でもこんなに違う
「OTC」という言葉をご存知ですか。
これは、英語の「オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ(Over The Counter Drug)」の略で、
医師の処方せんがなくても、薬局等で購入できる一般用医薬品のことです。
最近では売り場に陳列されていることも多くなりましたが、薬局のカウンター越しに置かれていることから、
「オーバー・ザ・カウンター・ドラッグ」と呼ばれているわけです。
このような薬局等で購入できる「OTC」と、医師の処方に基づく「医療用医薬品」とでは、さまざまな違いがあります。
*有効成分の種類
多くのOTCは、1錠(または1包)の中に複数の有効成分が含まれる「配合剤」です。
逆に、医療用医薬品ではそのほとんどが、1錠に1種類の有効成分しか含んでいないのが特徴です。
かぜ薬を例にあげると、OTCは「総合感冒薬」というだけあって、約60種類の有効成分が承認され、
ほとんどのOTCが8、9種類の有効成分をふくんでいます。
効果としては、熱、せき、鼻水,鼻づまりはもちろん、消化不良でもOK、
さらにビタミンまでは入っているのもあります。
*有効成分の量
OTCと医療用医薬品では有効成分の含有量にも違いがあります。
一般的にOTCは患者さんの自己管理の下に服用されますので、
医療用医薬品の1/2から1/3の含有量に抑えられています。
*最近、よく聞く「スイッチOTC」とは
「スイッチOTC」とは一体なんのことでしょうか。
これは、これまで病医院などで使われていた医療用医薬品のうち、
医師の処方なしに使っても安全なものを市販薬に転用(スイッチ)した医薬品のことです。
「スイッチOTC」はもともと医療用ですから、薬の効き目はOTCに比べ、比較的強くなっています。
漫然と長期間使っていると、重症化する恐れがありますから、購入の際には、必ず薬剤師に相談し、
用法・用量を守って服用することが大切です。
OTCは薬局・薬店等で手軽に買うことができます。
セルフ・メデイケーションの観点から、OTCを上手に利用することは大切ですが、
間違った知識や情報による自己判断は、大変危険です。
OTC購入の際には、薬の専門家である薬剤師に十分相談した上で、服用したいものです。
また、OTCを使っても、症状がよくならなかったり、逆に悪くなった場合は、
その薬を持って、できるだけ早く、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
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