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東日本大震災における薬剤師ボランティア活動報告書

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報告者: 柿田 光一
 宮城県薬剤師会からの要請に基づき、長崎県薬剤師会からの派遣により平成23年4月3日から7日まで、宮城県石巻市及び女川町で活動しましたので報告します。
4月3日 18:00~ 日本薬剤師会 8F
 3班のメンバーからの引き継ぎ
   派遣先・石巻
       ・南三陸
       ・気仙沼
 
4月4日 7:30 JALシティを出発(レンタカー3台)
  四谷~矢板北ICまで運転
 (移動中、持参のCDを聴く。)
 
  11:40 国見ICで給油・昼食  粉雪が舞っている  
  13:40

宮城県薬剤師会で状況の説明を受ける(生出会長ほか)

  • 宮城県薬剤師会のジャンパー・必要書籍(今日の治療薬など)の給付あり。
  • 身分については宮城県からの要請で活動を行っているので、医療チーム(救護班)として保障されている。一般のボランティアとは違う認識で活動を行うこと。
  • 悲惨な状況ではなく、今何が必要とされているのかを、迅速に本部へ伝えてほしい。
  • 業務量を記録していただくと今後の資料となるので協力をお願いする。
生出宮城県薬会長から説明を受ける
  15:15

石巻高校避難所薬剤師会へ移動

*石巻高校避難所薬剤師会:石巻地区の拠点
(全国の薬剤師会からの派遣者の拠点)
石巻高校会議室並びに保健室(女性宿泊場所)を借用

石巻高校避難所
  15:30~16:00 施設のオリエンテーション並びに日和山からの景観展望

 施設:水道、電気、ガス 復旧
  • トイレは水洗
  • 灯油ストーブの灯油は配給あり
  • 電気ポットあり  
    (暖をとったりお湯を沸かしレトルト食品を加温するのに使用)
  • 水および食料(カップラーメン、レトルト食品、カロリーメイト、缶詰、お菓子など)は派遣者の持ち込みもあり豊富にある。
  • 会議室内にはOTCが保管されている。 
石巻高校避難所の案内図
    石巻高校避難所薬剤師会 石巻高校避難所薬剤師会
    石巻高校会議室のOTCの保管状況 石巻高校避難所_食料関係
    日和山からみた震災の現状 石巻市内の震災の状況2011年4月4日撮影
  16:00~18:00 地区の把握並びに地図の作成  
  18:00~19:00 夕食(自衛隊から味噌汁、ごはんの差し入れあり)  
  19:00~

ミーティング(リーダー:高須(新潟県))
参加者 22名

最重要(穴をあけるな)

  • 石巻高校診療所の調剤 9:00~12:00、 13:30~15:30
  • 専修大学       8:00~17:00
  • 渡波小学校      9:00~15:00
  • 女川町立病院     8:00~15:00
  • 女川総合体育館    8:00~16:00

避難所巡回

  • 衛生指導(うがい薬)
  • OTCの供給(必要最低限のサポート)(地域の薬局が復興するまで)
  • 健康状態のチェック
  • 100か所の避難所の訪問(避難所の解散もあり)
  • 石巻日赤病院の支援は近隣の調剤薬局再開や新人の採用により、マンパワーは捕捉されている。明日からは派遣しない。
  • ドライアイに使用する処方薬がない場合には「アイボン トローリ目薬」が使用できること。

○ 丹野宮城県薬剤師会副会長(石巻市薬剤師会長)
   (家・店舗ともに流失されたとのことです)

  • 石巻市のガソリン供給が復活してきているので、車両の数が増えてきている。
    かなり無理な運転をする者も見受けられるので注意を要すること。
  • 石巻市の薬局88件のうち40件が残っている。
    薬剤師は6名の方が亡くなった。
  • auは時々通信できなることがあるので注意を要する。
  • 石巻市の住民22万人のうち3万人が死亡または不明。
    まだ、海の中には1万人はいる。
  • 現在石巻市には70の医療チームが入っている。
    通常救護班が活動するのは基本的に初動時。
    今回は何度も必要となるまれなケースである。
  • 医師、看護師だけではだめで薬剤師が求められている。
  • 物資が尽きるのではないかという心配を被災者の方たちは思っておられる。肉体的にも精神的にも疲弊している。
    対応するにあたっては、心からの配慮をお願いしたい。
  • メロンパン(処方箋の収集並びに調剤薬の配達システム)
    メロンパンの車での販売からのネーミング
    元々は日赤石巻病院の医療チームの訪問診療であったが、次第に日赤の医師も同行しなくなり、医師がいなくても薬歴カードなどから処方箋を起こし調剤、提供しているシステムの名前。
    沖縄県から派遣の坂東さんが参加している。
  • 日赤石巻病院のデータは山形県でバックアップされていたために、山形からのデータを元にお薬手帳のデータを取出し、それを処方箋の代わりとした。
    他の場所でのバックアップの必要性を感じる。

○女川町立病院について、永井氏(石川県)からの伝達事項

  • 薬剤師会が行う業務は調剤業務及び服薬指導。
    その中の監査は山内薬局長、日本病院薬剤師会派遣(2名)、日本医療支援機構(1名)が行う。
  • 町立病院は避難所での訪問診療も行っているので、求めがあれば同行すること。
     8:30~12:00、13:00~15:00   調剤など 
  • 往路、復路は異なること。大潮であるため途中の道が冠水する可能性あり。(地図で確認)
  • 医薬品の在庫管理が難しいのでコンピュータでの管理を引き継いでほしい。データの追加・出庫管理。
  • 持参していたら便利なもの・・・はさみ、ベスト(ポケットが付いているもの)、ルーペ(ガラス製) 
  11:00 消灯 寝袋で就寝 石巻高校避難所_寝袋で就寝
4月4日 6:00

起床
食事(持参のパン並びにカロリーメイト、コーヒー)

 
  7:00 会議室の床掃除  
  7:10

出発 メンバー:柿田(長崎)、川村氏(福岡)、仲真氏(沖縄)、大津賀氏(富山)
女川体育館の佐藤(沖縄)も同乗
女川体育館経由で女川町立病院へ

女川町立病院
  8:00

山内薬局長から業務の説明あり。

  • 処方はカルテの内容で調剤。
  • ピッキングを終了したら監査の者に見てもらう。
  • 監査すみのものは順々に説明しながら渡す。
  • 薬袋はなし。薬袋はあるが書いている時間がないため。
  • ヒートシールの裏に用法をマジックで記載し、同一服用時間の薬剤を輪ゴムでまとめたものを渡す。
  • 訪問診療も実施するので1名出してほしいとの要望あり。
    柿田が訪問診療に同行。
  • 訪問診療の携行医薬品の確認。
 
    女川町立病院_薬局 女川町立病院_薬局
  8:45~12:00

医師2名、看護師1名、作業療法士1名と出発。
   3か所の避難所で実施

  1. 女川町勤労少年センター  受診者:3名
  2. さくら集会所       受診者:5名
  3. 海泉閣          受診者:10名 
  • 海泉閣の中で9名の患者さんへアスベリン(咳止め)の処方あり。
  • 他に、ロキソニン、ブスコパン、ミヤBM散の処方もあり。
  • 1名の患者さんは血糖コントロール不良と思われる視覚障害あり。日赤石巻病院の受診を勧める。
女川町立病院巡回 さくら集会所へ
    女川町立病院巡回 海泉閣へ 女川町の震災の状況 2011年4月5日撮影
  12:00~13:30 調剤及び服薬指導 (待合所は患者さんで満杯状態)  
    女川町立病院 待合所

女川町立病院 薬局調剤

  14:00~16:00
  • 医薬品管理のための帳票作成・入力など作成途中のエクセルファイルをフラッシュメモリーにおとして、石巻高校で作業を行おうとしたがオープンソフト使用のため使用できず。
  • 明日は訪問診療はなしとの申し伝えあり。
  • 処方せん枚数 250枚
 
  17:30 石巻高校到着。(町立病院経由)  
  17:30~18:00 日報作成。  
  18:00~19:00

夕食(差し入れ:金ちゃんヌードルと豆腐1丁と鰹節1袋、ニラの味噌汁)

 
  19:00~21:00

ミーティング
  参加者 18名(前日と入れ替わりあり)

  • 柿田は今日と同じ、女川町立病院での調剤。
  • メンバーは変更あり。
  • 明日までの業務なので、次の者への引き継ぎ。
    次の担当者:大西氏(岡山)
    • 調剤が主体
    • 訪問診療もある
    • 在庫管理で苦慮している
    • 指示はないので自分で仕事を探す姿勢であること
    上記を伝える。 
  • 渡波小学校は4月6日まで不要。
  • 下痢が多発しておりノロウイルスの爆発的感染も想定される。
    石巻専修大学で感染症対策を充足させる計画あり。
  • 明日からリーダーの交代。
    新任リーダー:坂本氏(沖縄)
  11:00 消灯  
4月6日 5:00 起床  
  5:00~6:00 日本製紙付近を散策  
    石巻市内の状況 2011年4月6日 石巻市内の状況 2011年4月6日
  6:00~7:00

掃除、朝食など(持参のパン、昨日コンビニで購入した野菜ジュース)

石巻高校避難所 朝食
  7:10

出発 メンバー:柿田(長崎)、川村氏(福岡)、大西氏(岡山)、女川体育館のメンバーも同行

 
  8:00~13:00

調剤所内の配置替え
 ・狭い空間を有効に使用できるようにレイアウトを替えた) 
 ・危険度の高い医薬品の整理
  (インスリン製剤を種類別に箱分け)
 ・医薬品在庫管理帳票の継続作成

女川町立病院 薬局
  13:00~13:30 昼食(病院からツナサンドの配給あり)
  13:30~16:30
  • 大西氏(岡山)へ医薬品在庫管理帳票の引き継ぎ

  • 調剤
    白色ワセリンの処方あるが軟膏つぼないため、ビニール袋へ詰めてお渡しする。
    処方せん枚数:200枚
  • 明日、医療機構からの1名が交替。
    明後日、病薬からの2名が終了。交替要員は未定。
    引き続き3名の薬剤師派遣の要望確認。
  • 終了間際に我々のもとにスタッフの女性が走ってきて
    「もう帰るんでしょう!食べ切ってください。ありがとうございました。」と炊き出しのカレーの差し入れあり。
  16:30~17:30 女川体育館経由で石巻高校到着。  
  17:30~19:00

日報記載。
石巻市役所付近を散策。

 
  19:00~21:00

ミーティング(リーダー 坂本氏(沖縄))
参加者 17名

  • 4月7日に四国チームがくる連絡はあったが、何時に来るかは不明。
  • 人員配置に穴をあけられない施設から配置し、四国チームは避難所巡回に配置。
  • 東海大学医療チームから薬剤師のサポート要請あり。
    リーダー他1名が急きょ対応した。
  • 九州チームは明日の昼12:00までに宮城県薬剤師会へ行かなければならないので、少なくとも9:30を出発時間とする。
  • リーダーから大街道小学校、釜石小学校へのOTC配達の依頼あり。また、九州チームの前班から赴任者(坂東氏)が日赤石巻病院で同乗する予定となる。
4月7日 5:00~6:00 南浜町付近を散策  
    石巻市内の震災の状況 2011年4月7日 石巻市内の震災の状況 2011年4月7日
  6:00~7:00 掃除、朝食(コーヒー、カロリーメイト)  
  7:00~9:30 資料などの整理  
  9:30 四国チーム到着
1名を女川体育館へ派遣するため、女川地区への道順を説明。
 
  9:40 出発
大街道小学校、釜石小学校へのOTC配達
 
  10:30 日赤石巻病院で坂東(沖縄)を同乗  
  11:30 宮城県薬剤師会到着
他の九州チームと合流
宮城県薬剤師会へ石巻の状況報告
 
  12:00

宮城県薬剤師会を出発
石巻~国見ICまで運転

 
  13:00 国見ICで給油、昼食(天ぷらそば)  
  14:30

矢板北ICで調整
矢板北IC~蓮田ICまで運転

 
  15:30 蓮田ICで給油  
  17:00 JALシティ隣接の駐車場に到着  
  18:00~21:00

○日本薬剤師会 児玉会長

  • 薬剤師のボランティアの数は延べ1,300人になった。
    医師、看護師よりも多い。
  • 薬剤師が求められている。
  • 今後も継続してご協力をお願いする。

食事をしながら引き継ぎ
解散

 

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