報告者 : 西脇 潤一郎 |
(活動期間) H23年4月23日(土)~27日(水) (10班 宮城県石巻地区) |
(被災地状況) |
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- 車が通行できる程度に道路は片付いていたが、それ以外は依然手付かずの状態。
車など金属類は錆びてきており異様な光景。
未だ潮の満ち干きで道路が冠水する場所があり、毎日満潮の時間を考慮しながら派遣先への出発時間も調整。
- 被災した建物からアスベストが飛散し始めたという情報もあり。花粉の飛散、砂埃。
- 被害が少なかった地域では店も少しずつ再開してきており、店でも薬は買えるようになってきている。
- 石巻高校は桜が満開でした(癒されました)
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(避難所の状況) |
- 中心部のある程度人数が多い避難場所においては、定期的且つ継続的に医療チームが入っている。
医薬品、衛生用品、OTC薬も行き届いている様子。
- 一方で中心部から離れた小さな集落の沿岸部は、未だにライフラインが閉ざされた地域もあり。
単発で医療チームやボランティアの巡回もあるが、十分なフォローは出来ていない状況。
ある場所では被災せずに残った家を避難所とし、
そこの集落の方々で助け合いながら日々を送っているような状況。
がん患者を抱えているところも。飲料水、食料は物資で。洗濯、お風呂(野外に手作り)は川の水で。
- OTC薬・衛生用品のニーズは時間の経過とともに変化。風邪薬はピーク過ぎ減少傾向。
殺虫剤、香取線香などのニーズが増加。
片付けなど作業する人が増えてきたためか絆創膏などの要望も増えつつあり。
- 県外から来た人と話をしたがっている方が増えてきているとのこと。
薬の話以外にも対応するケースがあるよう。
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(滞在期間の流れ) |
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4月24日 |
11時 |
宮城県薬剤師会館にて引継ぎ |
午後 |
避難所巡回(牡鹿半島方面) |
19時 |
ミーティング |
4月25日 ~26日 |
6時45分 |
ミーティング(派遣先、注意事項等の確認) |
10時 |
県薬の方とのミーティング(※25日より相談役として宮城県薬の方が日中滞在。主に情報交換など) |
日中 |
石巻高校避難所薬剤師会にてリーダー業務
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19時 |
ミーティング(状況報告、課題・問題点などの確認、翌日の派遣先の調整など) |
(リーダー業務の主な内容) |
- 避難所・救護所派遣メンバー振り分け
- 必要人数(医療チームの薬剤師同伴の有無によって日毎に変る可能性あり)や
調剤経験、OTC薬の知識の有無、ボランティア滞在期間、引き継ぎ、車の振り分け等を考慮。
(一番大変でした。)
- 電話対応
- 訪問した避難所先に石巻高校拠点の連絡先を配布。
OTC薬、衛生用品などの不足が生じた場合、TELにて避難所からのオーダーあり。
- その他、派遣薬剤師からの現地からの問い合わせ
(例;薬剤師の過剰or不足による派遣先の急な変更など。)
- OTC薬の発注
- 石巻高校薬剤師会に保管してあるOTC薬の在庫が不足した場合、
あるいは避難所から在庫以外の新たな要望があった場合は、
県薬本部のOTC薬/衛生用品在庫リストより該当するものを選別、TELにて発注。
類似品が存在しない場合はバイタルネット(東北地方を中心とした医薬品卸)へ発注。
モノが揃い次第、後日配達するための日程、配達メンバーの調整、または引継ぎ。
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(調剤以外の薬剤師としての業務例) |
- お薬手帳の掘り起こし。
今回の震災でお薬手帳が大変有用な情報共有のためのツールであることを再認識。
メロンパンチームを中心に避難されている方への聞き取り、お薬手帳の作成を行い、
今後も積極的に行っていく方針。
- 長期避難生活によるストレスが原因の一つとなって不眠や便秘などの訴えも多い。
石川県メンバーがリーフレット(健康だより・・・「気道の保湿法」、「ストレスによる便秘・不眠・血圧対策」)を
作成し、避難所への配布なども行っていました。
- 避難所によっては医薬品を保管している場所の施錠ができないところもあり。
抗精神薬などはメロンパンチームや薬剤師会メンバーが拠点に持ち帰り管理。
- 避難所によっては不必要、あるいは過剰なOTC薬や衛生用品があり、
保管場所にも困っているという話が出始めており、
避難所巡回の際に返品(引き取り)や在庫整理などこちらから積極的に行ことで喜ばれるケースも。
今後は避難所の環境に対する支援やお薬相談コーナーなどの設置なども
念頭においた活動を検討されているよう。
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(問題と対応例) |
- OTC薬をただでもらえるということで、不必要に持っていくケースや
石高薬剤師会に直接OTC薬をもらいにくるケースもあり。
店を再開しているところもあり、営業妨害にもなりかねない。
→ OTC薬は避難所の保健師あるいは担当者を介して本人に渡すことを原則とすることで対応。
- 避難所からのオーダーで薬剤師会が対応すべきものかどうか判断に困るケースあり
(サポーター、薬品棚など)。
→薬局で扱っているものに関してのみ対応。
- 一包化の必要な場合。→お薬箱等を利用して対応しようとしたが、
避難所での使用は逆にリスクも予想されるとのことで、
メロンパンチームに依頼して日赤病院で一包化する方針。
- 横の連携(医療チーム・病薬・自衛隊など)がないため、
各々の動き方が現場に行ってみないと把握できず、巡回の重複や反対に不足などの面も依然多々見られる。
(6つの医療団からそれぞれ同じような睡眠導入剤もらってる人も)
- 薬剤師メンバーが毎日のように入れ替わる状況の中での引き継ぎは非常に難しいものでした。
先陣を切られた先生方が悪戦苦闘して作ったシステムもなかなか一つに落ち着かず、
日替わり的なところも見受けられた。(もちろん改善されていくことに関しては良いことであるが。)
今後、現地・状況を熟知したリーダーの常駐が望まれる。
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(今回のボランティアを経験して) |
リーダー業務が中心であったために現場での仕事はあまりできなかったが、
各メンバーから情報収集をしていく上で一番感じたのが、
我々の仕事はまさに“薬剤師法第一条”であるということでした。
全国からボランティアに参加されている薬剤師の先生方の技量や
モチベーションの高さにも感銘を受けました。
石巻地区では現地の薬剤師の方がボランティアに参加した薬剤師のMLを開設し、
継続して石巻の現状把握や情報交換をもてる場も作って頂いております。
今後も継続的な薬剤師の活躍を期待されております。
近い将来、復興し活気にあふれた石巻をはじめとした東北を是非見に行きたいと思っております。 |
※ 災害対応緊急薬袋(なかなか見る機会もないと思いまして、貼り付けてみました。) |
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