※ 長崎県薬剤師会のアンチ・ドーピング活動内容についてはこちらをご覧ください。
OTC薬を販売されている方へ
競技者及び関係者からのアンチ・ドーピングに関する相談への対応にご協力ください。
国体は、毎年、開催されます。近くにお住いの方が、代表選手に選ばれるかもしれません。
また、ドーピング検査は、国体だけでなく、いろいろな競技会で実施されます。
そのような競技者が、突然の体調不良により、来店・来局するかもしれません。
その際に、競技者が心配しているのは、その薬を服用又は使用することで、ドーピング違反とならないかということです。
「ドーピング検査を受けるかもしれない」または「国体に出るんだけど、この薬は大丈夫」等の質問を受けた場合、薬の専門家として、適切な対応をお願いします。
(特に、国体が近づく8月末から9月、10月は、競技者と思われる方が来店された場合、「国体に出場されているのですか」など確認をお願いします。)
かぜ薬や胃薬でも、ドーピング違反となる可能性があります。
競技者は、体内に入る物(塗り薬も含みます)すべてに、注意しないといけません。
健康食品やサプリメントは、安易に勧めないでください(これらでも、ドーピング防止規定違反事例が多数報告されています)。
競技者がドーピング違反に問われますと、競技会の成績が失効されるだけでなく、初回で4年間の資格停止(試合に出られなくなりますし、練習も制限されます)と厳しい制裁を受けます。
対応に少しでも不安がある場合、薬剤師会アンチ・ドーピング ホットライン等にご相談ください。
(「アンチ・ドーピングに関する相談体制」のページをご覧ください。)
長崎県薬剤師会では、長崎県下で、一般用医薬品(OTC薬)の販売をされている店舗の方向けに、アンチ・ドーピングの問合せを受けた際の対応についての相談にも応じていますので、お気軽にご連絡ください。
<参考>
一般用医薬品の使用可能薬は、 下記で調べることができます。
「薬剤師のためのアンチ・ドーピング ガイドブック2023年版」(注意:毎年更新されています。最新版は、例年、6月~7月に日本薬剤師会websiteで公表されます。)
・ 薬効別に探したい場合は、
目次(PDFデータで9ページ)をみてください。 ・ 医薬品名が分かっている場合は、本文p77 (PDFデータで87ページ)に索引がありますので、 医薬品名で検索してください(成分名、販売名、どちらでも検索ができます)。
・ 使用可能薬を調べる上での注意点
「Global DRO JAPAN」 |
OTC薬を原因とするドーピング防止規定違反事例
本邦におけるOTC薬を原因とするアンチ・ドーピング規則違反の事例は、平成19年以降も6件報告されています。 いずれも違反物質は「メチルエフェドリン」です。 2007年にかぜ薬による1件、2008年にかぜ薬と鼻炎薬による2件、2012年に咳止め薬による1件、 そして、2015年5月、2015年12月かぜ薬による1件報告されています。 「メチルエフェドリン」は、2022年禁止表国際基準においても、競技会(時)禁止物質「S6.興奮薬」に該当します。 2009年から3年間、本邦ではOTC薬による違反事例はなかったのですが、2012年8月に報告がありました。 (公財)日本アンチ・ドーピング機構(以下、[JADA」という。)Website「日本ドーピング防止規律パネル決定報告」により公開された内容を抜粋しますと、 「薬局で購入した市販薬につき、販売員に禁止物質の含有の有無を確認したところ「不明」であると回答された。 そのため自身で箱に記載された「dl-塩酸メチルエフェドリン」及び「塩酸メチルエフェドリン」というキーワードで検索したところ、該当しなかったので、 禁止物質であると気付かなかった」との記載がありました。 医薬品販売におけるドーピング防止に関する情報提供の必要性が改めて指摘された事例でした。 2014年5月に公開されたドーピング防止規律パネル決定報告は、かぜ薬の初期症状を緩和したいということで、 インターネットで購入したものによる違反事例でした。 2014年6月12日から、医薬品に関する法律が改正され、一般用医薬品のインターネット販売が認められましたが、 情報提供の在り方を改めて問うものではないでしょうか。 2015年11月、OTC薬のかぜ薬によるとされる違反事例が報告されました。 2015年8月、競技者は、ドラッグストアの「薬品カウンセラー」に、ドーピングフリーのかぜ薬を選定してほしいと伝えたにも関わらず 当該薬を勧められ服薬したと報告書には記載されていました。 当該薬はメチルエフェドリンを含有しており、競技会の8日前まで服用していたとのことです。 競技者は外国籍で、日本語の理解に限界があるにも関わらず、過誤又は過失が全くなかったとは認められないとして、8カ月の資格停止とされました。 さらに、OTC薬を原因とする本邦におけるドーピング違反事例で、国際競技連盟による報告事例もあります。 ひげを生やしたいと使用した塗り薬(禁止物質:テストステロン)による違反事例です。 塗り薬など、外用薬でも、当然、注意が必要です。 |
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